住宅ローンのボーナス払いは何割にするべき?適切に利用して賢く住宅購入

住宅ローン控除の引き下げは改悪? マイホーム購入
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真地 リョウ太  Twitter
1989年生まれ。2012年から不動産会社で売買実務を担当。不動産相続対策の案件も実績あり。本サイトでは業務経験から得たスキルをみなさんに発信できればと思っています。宅地建物取引士・行政書士試験合格・FP2級。好きな食べ物は梨。

 

住宅ローン借入れ予定です。

ボーナス払いは利用するべきでしょうか?

ボーナス併用を利用すれば毎月の返済負担が軽くなるというメリットがあります。

 

ボーナス支給月に多めに返済するほど毎月の返済を抑えることができます。

じゃあ毎回ボーナスの全額を住宅ローンの返済に回せば家計はかなり楽になるってことですね。

ただし割合を大きくしすぎると、いざというときに返済苦に陥るリスクが高まります。

 

また金利負担が重くなるなどのデメリットもあるので、ボーナス併用を利用する際はリスクを理解した上で適切な割合を決めることが大切なポイントです。

 

安易にボーナス払いを選択してしまうと、あとで取り返しのつかない事態になるかもしれません。

今回は住宅ローンのボーナス併用を利用する場合の注意点を解説します。

 

住宅ローンのボーナス払いとは?

住宅ローンのボーナス払いとは?

 

住宅ローンのボーナス払いは、毎月の返済以外のタイミングでまとまった金額を年2回程度繰り上げて返済することができるシステムです。

例えば3000万の住宅ローンで800万をボーナス払いとした場合は、2,200万のローンの毎月返済」800万のローンの半年毎返済」という2つのローンを並行して返済しているイメージです。

ボーナス払いのメリット

ボーナス払いのメリット

 

ボーナス払いの最大のメリットは毎月の返済額を安くできるということです。

たとえば3,000万円(金利1.0%・期間35年)の住宅ローンを組む場合、普通に借入れた場合の毎月の返済額は約84,600円です。

一方で3,000万円のうち800万円分をボーナス払いとした場合、毎月の返済額は約62,000円に抑えることができます。

3,000万円の住宅ローン
(金利1.0%・期間35年)
毎月の返済額
普通に借り入れた場合 約84,600円
ボーナス払いの場合 約62,000円
+ボーナス支給時のみ追加支払い

毎月およそ22,000円ほど住宅費が安くなれば家計にも余裕ができます。

安くなった分はボーナス支給時にまとめて返済できればいいので、勤務先からボーナスが確実に支給されるという人にとっては返済計画が立てやすくなるという利点があります。

ボーナス併用のメリット

・ボーナス月以外の返済額を安く抑えられる
・ボーナスの使い道が決まっているので計画的な返済ができる

ボーナス払いのデメリット

ボーナス払いのデメリット

 

ボーナス払いを選択する場合はリスクやデメリットも理解しておく必要があります。

一番のリスクとしては、「会社からボーナスが出ない(もしくは減った)」というときに返済ができなくなってしまうおそれがあるということです。

勤務先が民間企業であれば、業績悪化によってたまたまボーナス支給額が減るということも考えられます。

しかし住宅ローンのボーナス払いは、ボーナス支給額がいくらだったかに関わらず最初に決めた返済額を変更することはできません。

さきほどの例のように3,000万円のうち800万円をボーナス払いとした場合、2年に1回は毎月返済額62,000円+ボーナス払い額135,000円=約20万円を支払わらなければなりません。

万が一勤務先からボーナス支給がなかったときもその返済に耐えられるのかというシミュレーションを常にしておく必要があるでしょう。

また、ボーナス払いを利用することで、金利負担が多くなり総返済額が大きくなってしまうというデメリットもあります。

ボーナス払いを利用する場合は、これらを踏まえた上でバランスよく金額を設定する必要があります。

ボーナス併用のデメリット

・ボーナスが出なかったり、減額でも支払う返済額は変わらない
・途中で変更できない金融機関も多い
・元本返済のスピードが遅くなるので、金利負担が増える分、総返済額は増える

 

ボーナス払いに向いている人

ボーナス払いに向いている人

 

そもそもがボーナスが確実に出ることが前提になっている返済方法なので、大企業の正社員公務員と言えます。

また、退職後もボーナス払いは続くので、退職金で繰上返済できる方やある程度貯蓄があるかどうかという点も重要です。

 

ボーナス払いの割合を設定する際の注意点

ボーナス払いの注意点

 

ボーナス払いの割合は各金融機関で上限が設定されており、「借入額の40~50%まで」としているケースが一般的です。

ただしボーナス払いの割合が高いほど、比例してリスクも大きくなってしまいます。

余裕をもった返済計画を立てることを考えると、借入総額の20%程度以内にとどめておくのが賢明でしょう。

大企業や公務員に勤めている人も、子供の教育費や老後資金に対応出来なくなってしまうなどライフプランに支障を来たしてしまうリスクを考慮しなければなりません。

キャッシュフローに余裕がある状態にしておけば、急な病気や休職・転職などといった不測の事態が生じた際も柔軟に対応できるようになります。

 

住宅ローンのボーナス払いの割合が「きつい」と感じた時の対処法

ボーナス払いがきついとき

 

既にボーナス払いを利用していて、2年に1度のボーナス払いを苦に感じている人もいると思います。

特に住宅ローンの金利が今よりも高かった時代(8~10年以上前)に住宅を購入した人は大きな負担を抱えている人も少なくありません。

ここからはボーナス払いをきついと感じたときの対処法について考えます。

まずは借入先の金融機関に相談

まずは早い段階で、現在の借入先の金融機関にボーナス払いの割合を変更出来ないか相談してみましょう。

金融機関によっては柔軟に対応してくれる場合があります。

繰上返済を行う

まとまった金額があるのであれば、繰上返済を行うことを検討しましょう。

繰上返済には期間短縮型と返済額軽減型があり、返済額軽減型を選択すれば借入期間は変わりませんが、毎月とボーナス時の返済額を減らすことが出来ます。

他の金融機関に借り換えを行う

他の金融機関に借り換えを行うという方法もあります。

借り換えを行うと、新しい返済方法を選択できるのでボーナス払いをやめることが可能になります。

しかし、借り換えを行うと現在の残額や金利によっては、かえって損をするケースがある場合があるので注意が必要です。

一般的には借り換えをおこなってメリットがある基準は以下を参考にしてください。

・住宅ローン残高1000万以上
・住宅ローン返済期間残年数10年以上
・現在の金利が1%

また、新しい金融機関で住宅ローンの再審査を行わなければいけなくなるので、まずは現在の金融機関に相談、繰上返済の検討を先に行うといいでしょう。

 

まとめ:ボーナス併用を上手に利用して余裕のあるライフプランを

「ボーナス払い」は、はじめて住宅ローンを組む人には理解するのが難しく不安に思うかもしれません。

注意点と対処法を正しく知ることで住宅ローン返済の負担を抑える手段の一つとなります。

 

■ボーナス払いの特徴まとめ

メリット・デメリット ・メリット
毎月の返済額が抑えられる。
・デメリット
金利負担が増えることに注意が必要
向いている人 ボーナスが確実に出やすい大企業の正社員や公務員向け
ボーナス併用の割合 ボーナス払いできる割合は借入額の40~50%以内と決まっているが、万が一のために20%程度にとどめておくと良い
支払がきついときの対処法 ボーナス払いの割合がきつくなったら、現在の金融機関に相談、繰上返済の検討をして、最後に住宅ローンの借り換えという方法がある。

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