長期優良住宅ってどんな家?認定に必要な審査基準をチェックしよう

長期優良住宅ってどんな家?認定基準をどこよりも分かりやすく解説します! マイホーム購入
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真地 リョウ太  Twitter
1989年生まれ。2012年から不動産会社で売買実務を担当。不動産相続対策の案件も実績あり。本サイトでは業務経験から得たスキルをみなさんに発信できればと思っています。宅地建物取引士・行政書士試験合格・FP2級。好きな食べ物は梨。

 

「長期優良住宅」ってどんな家ですか?

長期優良住宅として認定を受けるためには、9つに分かれた審査基準を全て満たさなければなりません。
審査基準の内容に沿って、長期優良住宅がどんな家なのかということを紹介します。

長期優良住宅のおさらい

前回の記事で長期優良住宅のメリットについて解説しました。

「長期優良住宅って何?」という人はこちらの記事をどうぞ
住宅を買うなら長期優良住宅がいい?メリット・デメリットを徹底比較

社会課題や環境問題を解決するために、「優良な建物をつくり、長く使う」という取り組みの一環で普及してきているのが長期優良住宅です。

前回の記事では長期優良住宅を取得することで様々な制度上のメリットが受けられるというお話をしました。

長期優良住宅を取得するメリット
・税制面の優遇措置がある
・住宅ローンの融資条件が緩和される
・資産価値が落ちにくい

では、長期優良住宅として認定されるためにはどのような基準を満たさなければならないのでしょうか。

今回は長期優良住宅の認定基準について詳しく紹介します。

 

長期優良住宅の認定基準

具体的に長期優良住宅の認定基準について見ていきましょう。
審査項目は全部で9つに分かれており、認定を受けるためには下記のすべてが基準を満たした建物でなければなりません。

【長期優良住宅の認定基準】
①劣化対策
②耐震性
③可変性
④維持管理・更新の容易性
⑤高齢者等対策
⑥省エネルギー対策
⑦住戸面積
⑧居住環境への配慮
⑨維持保全計画

①劣化対策

「長期優良」という名前の通り、数世代という長期にわたって住宅を使用することを想定した建物であるかどうかということが審査されます。

長く使うためには建物の構造躯体が劣化しにくいつくりになっているかどうかが重要です。

認定を受けるためには住宅性能評価項目の劣化対策等級が3以上の評価であることが条件です。

建物の構造としては、下記の条件が求められます。

木造 〇床下・小屋裏に点検口が設置されている。
〇床下空間の高さが330mm以上保たれている。(有効)
鉄構造 〇木造と同様の措置にくわえ、防錆措置がとられている。
鉄筋コンクリート造 〇水:セメントの比率が5%低減、またはかぶり厚さが1㎝増となっている

②耐震性

建物を長く使うためには、災害に対する強度も重要です。

極めてまれに発生するような大きな地震に対して対策がとられているかも審査されます。被害が発生しても継続して利用するのための改修が容易にできるか、また想定しうる損傷レベルが低減されているかどうかがチェックされます。

認定を受けるためには、下記のいずれかを満たしている必要があります。

耐震性
①住宅性能評価項目の耐震等級が1の場合、限界耐力計算を行った上で安全限界変形1/100(木造1/40)以下であることが確認できる。
②住宅性能評価項目の耐震等級2に該当する
③免震建造物である。

③可変性

この項目では、居住者のライフスタイルの変化に合わせて間取り変更がしやすい建物であるかという点が審査されます。

たとえば家族4人で住むために4LDKの家を建てても、将来子供が独立して夫婦2人だけになったときに居室を持て余してしまうということがあると思います。

建物を長く有効に使うためにはリフォームのしやすさという点も重要になります。

認定を受けるためには、住宅性能評価項目の「更新対策」の基準を満たしている必要があり、建物の躯体天井高が2,650mm以上であることが求められます。

④維持管理・更新の容易性

長期優良住宅の建物の寿命は数十年と長いですが、それに比べて内装材や設備の寿命は短いです。

建物の存続期間に何度もメンテナンスや交換が必要になることが考えられますので、管理作業が容易にできるかどうかという点が審査されます。

たとえば分譲マンションなどにおいては、住戸部分に立ち入らなくても共用配管のメンテナンスができるようなつくりになっていることが必要です。

維持管理・更新の容易性
〇維持管理対策等級(専用配管および共用配管)/等級3以上
〇更新対策等級(共用排水管)/等級3以上

⑤高齢者等対策

入居者が高齢者になっても快適に生活できるかという点も重要です。

長期優良住宅に認定されるためには、バリアフリー改修に対応するために共用廊下等に必要なスペースが確保されていなければなりません。

高齢者等対策
〇高齢者等配慮対策等級(共用部分)/等級3以上

⑥省エネルギー対策

長期優良住宅には、地球環境への配慮も求められます。

たとえば住宅の断熱性が高ければエアコンの使用を最低限に抑えることができます。

認定を受けるためには、このような省エネルギー性能が十分に確保されていなければなりません。

省エネルギー対策
〇断熱等性能等級/等級4以上

⑦住戸面積

建物の床面積が狭すぎると、中期的に建物を取り壊してしまう可能性が高くなります。
長期優良住宅として認められるためには、良好な居住環境を保つために一定以上の面積が確保されていることが必要となります。

住戸面積
〇一戸建ての場合/床面積合計75㎡以上
〇マンション等の場合/原則として床面積合計55㎡以上

⑧居住環境への配慮

建物を長く使うためには、周辺環境に適した建物をつくることも重要です。

長期優良住宅に認定されるためには、「良好な景観の形成」「居住環境の維持及び向上」に配慮されたものでなければなりません。

具体的には、地区計画や景観条例などが制定されている場合はこれらに適合する建物でなければならないという基準があります。

⑨維持保全計画

建物を長く使っていくためには、計画的な維持管理・メンテナンスが必要になります。
将来を見据えた定期的な点検・補修の計画を策定することが求められます。

保全計画では具体的に以下の項目を定めなければなりません。

維持保全計画
・建物の主要な部分について10年以下の頻度で点検を行うこと
・点検の結果、必要に応じて補修を行うこと
・災害時等には定期点検を行うこと
・保全計画の実施期間はトータル30年以上

まとめ:長期優良住宅の認定基準はかなり細かく設定されている

いかがだったでしょうか。

なんとなく求められている基準のイメージはつかめたと思いますが、いかんせん審査項目が細かいので、バッチリ理解したという人は少ないのではないでしょうか。

長期優良住宅の認定を受けるためには①~⑨のすべての基準を満たしている必要があり、一般的な住宅よりも検討事項が多くなるわけです。

そのため長期優良住宅を取得したい人は、実績のある設計士・ハウスメーカー・不動産屋のいずれかに相談することをおすすめします。

 

買いたい建物 相談先
長期優良住宅の家を建てたい 設計士・ハウスメーカー
長期優良住宅のマンションを買いたい デベロッパー(マンション販売元)
長期優良住宅の戸建てを買いたい 不動産業者

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