【不動産屋が教える】売買契約マニュアル!マイホーム購入に必要な手続きとは?

売買から引き渡しまで マイホーム購入
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マジメに不動産

真地 リョウ太  Twitter
1989年生まれ。2012年から不動産会社で売買実務を担当。不動産相続対策の案件も実績あり。本サイトでは業務経験から得たスキルをみなさんに発信できればと思っています。宅地建物取引士・行政書士試験合格・FP2級。好きな食べ物は梨。

 

 

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契約までどのような流れで進めていけばいいですか?

物件の購入を決心したら、まずは売主に購入意思を示すことから始まります。
そこから売買契約~引渡しに向けて、さまざまな手続きを並行しながら進めていくこととなります。

 

マイホーム購入から引渡しまでの流れを押さえる

不動産の売買契約は時間がかかるものです。一般的には、売買契約から引渡しまでおよそ1~2ヶ月ほどかかることが多いです。

時間がかかる理由は、契約締結後にローン申し込みや司法書士段取り、役場の手続きなど、さまざまな手続きを同時に行っていく必要があるからです。

初めて不動産を購入するという人にとっては、やるべきことが多すぎてすぐに理解ができないということもあると思います。

ですが、手続きのポイントを押さえておけば全体の流れはそこまで難しいことではありません。

不動産売買の手続きをざっくりと図示すると次のようになります。

スムーズに売買を進めていくためには複数の手続きを同時並行して行っていくことが大事です。

手続きの各セクションを解説していきますので、マイホーム購入の参考にしてください。

 

購入申込書の提出

物件の購入を決心したら、まずはその意思を売主に伝えるために「購入申込書」という書類を提出します。

購入申込書を提出する目的

購入申込は、購入意思を明確に相手に示すために必要な取引慣習です。

購入申込書には、買付金額や要望事項、購入希望者の個人情報が書かれています。書類を受け取った売主はこの書類をベースに売買契約をするか判断します。

購入申込書を提出した時点では契約は成立していませんので、何ら法的拘束力は生じません。
そのため、申込書を提出しても売主が売買契約を拒むこともできますし、提出後に買主がキャンセルすることも法的には問題ありません。

ただし、無用なトラブルを避けるためになるべくキャンセルは避けたいものです。

購入申込書は、いわばエントリーシートのようなものです。きちんと購入の決心ができてはじめて提出するようにしましょう。

購入申込書の提出方法

購入申込書の書式は不動産会社が用意しています。不動産会社の案内に従って書類を完成させ、売主に提出しましょう。

なお、人気物件の場合は売主のもとに複数の不動産会社から購入申込書が殺到していることもあります。

原則として購入申込書が届いた順番を優先に購入者を決めることになります。

自分が購入申込書を提出する時点で、一番手、二番手がついていないかということを確認するようにしましょう。

□購入申込書の記載事項
・購入希望者の個人情報(氏名、住所など)
・購入希望額(買付金額)
・契約条件や要望など
・契約可能日
・引渡希望日

申込時の必要書類

購入の申込みをするときは下記の書類が必要となります。
手元に準備しておくようにしましょう。

①所得を証明する書類(源泉徴収票など)
②運転免許証
③健康保険証

これらの書類は、希望者本人が問題なく物件を購入できる属性であるということを示す目的で不動産会社へ提出します。

高額商品である不動産は誰でも購入できるわけではありません。
ローンを通すための十分な収入があるか、きちんと就労しているか、ということを確認するための提出書類です。

また、このときに預かった資料をもとに銀行の事前審査を勧めていきます。

 

金融機関の選定~事前審査

購入申込みと並行して住宅ローンを申し込む金融機関の選定を行います。

給与振込などで利用している口座だとローン金利優遇があることが多いので、取引のある金融機関を選ぶ人が多いようです。

銀行の選び方については別記事で紹介しています。

事前審査の承認

住宅ローンの審査は、[事前審査(仮審査)][本審査]の二段階に分けられます。

事前審査では入口の調査しか行わないので、そこまで時間がかかりません。(早いところだと1~2日ほどで事前承認が得られます。)

事前審査では本人の与信など細かいところまでは調査しませんので、事前審査で承認が得られても本審査時点で審査に落ちるということが稀にあります。

審査に不安要素があれば予め金融機関に相談しておくようにしましょう。

フラット35の利用

全期間固定金利のフラット35は、金利高騰があっても低金利のまま変動しないというのが特徴ですが、政府系の金融機関である故、審査が通りやすいというメリットもあります。

フラット35を利用する場合、購入物件の適合証明が提出できれば高確率で融資を受け取れます。

フラット35利用の場合は1割程度の自己資金が必要になることが多いので、この部分のみ銀行から借り入れることもできます。

 

売買契約の締結

本来であれば金融機関の本審査が通ってから売買契約に進むことが望ましいのですが、審査結果が出るまでのあいだ、売主を待たせておくわけにはいきません。

そのため事前審査の承認が下りたらすぐに売買契約を締結しておくことが一般的です。

売買契約では、不動産会社に勤める宅地建物取引士という資格をもった従業員が「重要事項説明書」というものを説明します。

重要事項説明書とは

重要事項説明書は、取引対象となる物件の取り扱い説明書のようなものです。

不動産業者は、重要事項説明書をもとに買主に対して重要なことを説明しなければならない法的義務があります。

重要事項説明には、物件のメリットもデメリットも包み隠さずに記載されています。

重要事項説明書は、買主の購入意思決定を守るための重要なプロセスですので、きちんと説明を理解するようにしましょう。

売買契約書の締結

重要事項説明が理解できれば、いよいよ売買契約の締結となります。

売買契約書に署名・捺印をすれば正式に契約が成立し、お互いに法的拘束力が生まれます。また、売買のキャンセルもこれ以降は原則としてできなくなります。

重要事項説明書と同様に、売買契約書に記載されている内容もしっかりと理解するようにしましょう。

 

住宅ローンの本審査

売買契約書と並行して、住宅ローンの本審査の手続きも進めていきます。

一般的には売買契約書が終わってから、速やかにローンの申し込みに進むことになります。

住宅ローンの本審査は事前審査と違い、金融機関がしっかりと時間をとって調査を行いますので、承認までに長くて2~3週間ほどかかります。

そして本審査時には提出書類も多くなりますので、不動産会社に相談しながら準備を進めましょう。

本審査時の提出書類(例)
①建物と土地の登記簿謄本
②前面道路の登記簿謄本
③字図
④地籍測量図
⑤建物図面
⑥間取り図
⑦建築確認台帳証明
⑧道路位置指定のある道路
⑨固定資産税評価
⑩重要事項説明書
⑪売買契約書

金銭消費貸借契約

晴れて住宅ローンの本審査が承認されたら、金融機関の窓口で金銭消費貸借契約を結びます。

金銭消費貸借契約とは「お金の貸し借りをします」という契約です。

この際、印鑑証明書や住民票などの提出が求められます。あらかじめ必要書類を確認しておくようにしましょう。

なお、通常は金銭消費貸借契約を行った日には住宅ローンのお金は振り込まれません。実際に融資が実行される日(融資実行日)の段取りをしておく必要があります。

 

 

融資実行・登記・引渡しは原則として同日に行う

金銭消費貸借契約の締結日以降、融資を実行します。

融資実行日には物件の引き渡し、所有権移転登記などを同時に行いますので、売主・不動産業者・司法書士の全員の都合が良い日でスケジュールを組む必要があります。

まず、司法書士が登記に必要な書類を売主・買主から預かります。
この時点で「いつでも登記が可能」ということになり、金融機関から融資実行のGOサインが出て、買主の銀行口座にお金が振り込まれます。
そしてそのお金から、売買代金をはじめ必要書類の清算を行っていくこととなります。

登記必要書類
□売主
・委任状
・登記識別情報
・印鑑証明書など
□買主
・委任状
・住民票など

融資実行および売買代金の決済が終わったら、晴れて引渡しとなります。

売買契約の買主はこのときに売主からカギを預かり、名実ともに「新所有者」となるのです。

 

まとめ

マイホームの購入までいくつものステップあり、時間がかかるものです。
これらをスムーズに進めていくためには、同時並行して手続きを行うことが重要です。
一般的に売買契約から引渡しまで、早くても1~2ヶ月ほどかかります。
長期戦になりますが、それだけに引渡しのときの喜びはひとしおとなることでしょう。

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