土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える

不動産売却

マジメに不動産

真地 リョウ太  Twitter
1989年生まれ。2012年から不動産会社で売買実務を担当。不動産相続対策の案件も実績あり。本サイトでは業務経験から得たスキルをみなさんに発信できればと思っています。宅地建物取引士・行政書士試験合格・FP2級。好きな食べ物は梨。

 

不動産を売りたいのですが、土地の価格を推定する方法はあるのでしょうか?

土地には「定価」というものがありませんので、実際に市場で売りに出してみないといくらの値が付くのかということはわかりません。
しかし「だいたいいくらくらいで取引されるか」という推定金額を算出することは可能です。

 

土地の資産価値を推定するとき、近隣の取引事例公的評価の2つが参考になります。これらを用いて、土地の価値を算出する方法を考えてみましょう。



【資産価値の調査方法①】取引事例比較法

不動産の価値を調べる方法として最もオーソドックスなのが取引事例比較法です。
取引事例比較法は、対象物件の近隣の取引事例売り出し情報からだいたいの相場ラインを推定する方法です。

近隣の事例は下記から調べることができます。
取引事例:不動産取引価格情報検索(国土交通省)
売り情報:不動産ポータルサイト集

取引事例などのデータを集める

取引事例比較法を用いる際、調べたい土地の近隣のデータを隈なくチェックします。
ただし、同じエリアでも条件が異なる土地情報も多くあると思います。なるべく該当地に条件が近い土地を参考にするというのがポイントです。

土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える
取引事例の情報収集のコツ

・同じ地域内の情報を収集するようにする
・なるべく条件が近い物件(面積、用途、方位、間口、地勢など)を参考にする
・古すぎる情報は参考にならないこともある
・比較するときは、平米単価や坪単価を参考にする

取引事例を比較する上で考えなければならないこと

土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える

近隣にあるA土地との比較

A土地 二方面道路でメインストリートにも面しており、面積も大きい (可能用途:店舗・オフィス・アパート・マンションなど)
調査地 メインの道路には面しておらず、面積は小さい (可能用途:住宅・小規模なアパート等)

先ほども説明したように、近隣の土地と比較する際は「なるべく似た土地を参考にする」ということが大切です。

上のイメージ図を例に、“調査地”と“A土地”を比較してみましょう。

A土地はメインストリートに接しており、なおかつ反対側の道路にも接する「二方向道路」の敷地になっています。
また面積も大きめで、マンションなどの共同住宅をはじめ、店舗オフィスビルといった事業利用など幅広い用途に適してそうです。

それに対して調査地の方はメインストリートよりも一歩奥に入った位置にあります。
そのうえ道路は一方向しか接しておらず、面積もやや小さめです。
このことから、A敷地に比べると住宅用途に限られるように見えます。

上記の条件を考えると、A土地よりも調査地の方が金額(平米単価)が安くなると思われます。

このように2つの土地が近隣同士にあっても条件が異なると平米単価に差が生じることがあります。
取引事例比較法をベースに価格を推定するときは、対象地の条件の差を補正していくという考え方が必要です。

 

【資産価値の調査方法②】公的評価から取引価格を逆算する

路線価などの公的評価数値を用いて取引価格を推測するという方法もあります。

路線価は国税庁が1年に1回発表するもので、主に相続税や贈与税を算出する際に用いられます。道路ごとに平米単価で設定されており、対象土地がどの道路に接しているかによって路線価の平米単価を調べることができます。

路線価のイメージ図-土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える※路線価は国税庁ホームページで調べることができます。

 



路線価と実勢価格の相関性

路線価は「地価公示価格(国土交通省)」の80%くらいになるように定められており、そしてその地価公示は実勢価格の80~90%くらいになると言われています。

この相関性を用いて逆算すると、「取引価格=路線価×1.4~1.5倍前後」が取引の相場ということになります。

路線価・地価公示・実勢価格の相関性
公的評価と実勢価格の関係性-土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える

上記の計算式が該当しない場合があることに注意

一般的に言われている相関性を用いると、取引価格は路線価×1.4~1.5倍前後になるというということを紹介しましたが、実はこの計算はそこまであてになりません

なぜなら取引相場は常に動いており、先ほど説明した「地価公示=実勢価格×80~90%」という公式が当てはまらないことが多々あるからなのです。

一般的には取引が活発に行われている地域ほど地価公示と実勢価格のギャップが大きくなる傾向があります。
例えば地価公示が30万円/㎡となっている地域だと実勢価格は33~37万円/㎡が妥当な金額ということになりますが、取引の活発さ加減によっては40万円…50万円となることも、逆に30万円を下回ることもあり得るのです。

「取引価格=路線価×0.8~0.9」という公式は、「地価公示価格が取引相場×80%~90%」であることを前提にした目安なので、全ての地域に当てはまるものではないということに気を付けなければなりません。

実勢価格と地価公示の差が一定ではないー土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える

実勢価格と地価公示の差が一定ではないということに注意!

 

【資産価値の調査方法③】乖離率から取引価格を逆算にする

取引価格路線価にどれくらいの差があるのかという点に着目することで、より具体的な価格を算出することができるケースがあります。
下のケースで考えてみましょう。

乖離率から資産価値を逆算-土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える
A敷地は平米単価30万円での取引事例がありますが、前面道路の路線価を調べたところ平米あたり20万円という評価でした。
つまり実勢価格と路線価におよそ150%の開き(乖離)があることが分かります

一方で調査地の土地の路線価は平米あたり15万円という評価となっています。
A敷地と同じように路線価と実勢価格の乖離率が150%であると仮定すると、調査地の資産価値はおよそ22.5万円という計算になります。

ざっくり言うとこのような計算になります。

路線価と取引価格の差(=乖離率)は地域によって傾向が出ます。
その乖離率を用いて逆算することでより実態に近い価格を算出することができるという考え方です。

複数の取引事例があるときは、それぞれの乖離率データを出してみる

近隣の乖離率データを集約-土地の売却価格を公的データからカンタンに推定する方法を考える
複数の取引事例データがある場合は、先ほどの計算のように各物件の乖離率を算出してみることで全体の傾向を知ることができます。
上のイメージ図においては、各事例の実勢価格と路線価の乖離率が140~150%となっています。これを調査地の路線価(15万円/㎡)に当てはめると、平米単価21~22.5万円という価格が算出できます。

路線価が実施されていない地域は?

郊外などの地域では、国税庁が路線価の調査を行っていないこともあります。
路線価がない場合は固定資産税評価でも代用可能です。
通常、市町村が固定資産税を算出するために「固定資産税路線価」というものを策定しています。
国税庁の路線価のように道路ごとの平米単価が設定されており、市町村役場の担当課にて確認することができます。

 

公的評価は客観的数字として参考にしましょう

資産価値というものは供給と需要によっても大きく変わりますので、正確な実勢価格は市場に出て初めて分かると言えます。今回の記事で紹介したように路線価などで資産価値を推定する方法は、あくまで客観的数字として参考にするようにしましょう。

より実態相場に近い価値を知りたいというときは、不動産会社で査定をしてもらうというのも有効な手段です。
どこの会社も査定自体は無料で行えますし、希望価格に満たない場合は土地情報が市場に流れることもありませんのでお勧めです。

不動産業者で査定をする場合は、一括査定サイトで複数の会社の見解をまとめるという方法も有効です。

▼当サイトおすすめの査定サイト2選
ノムコムの不動産無料査定
ミライアスのスマート仲介
簡単操作で土地の査定を出すことができます。

また、不動産業者に売却の相談をする際は良い会社を選ぶことも大切なポイントです。
こちらで業者の選び方について解説していますのでよければ併せて読んでみてください。
参考記事:【不動産会社の選び方講座①】良い不動産会社の見分け方について

資産価値を調べるときは、多方面からの情報収集を心がけましょう。

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