
不動産投資の出口戦略について教えてください!

不動産投資における出口戦略とは、所有している不動産を有利に売却し利益確定することです。
これから不動産投資を始める方なら、あらかじめ出口戦略を検討しておくことが重要です。
不動産投資は家賃収入と売却までを見通した上で利益をだす投資だからです。
有利な不動産投資の出口戦略には
①売却方法
②税金対策
③売却タイミング
この3つが重要なポイントになります。
代表的な出口戦略と税金対策、そして売るタイミングについて考えてみましょう。
出口戦略とは
不動産投資の出口戦略とは、所有する不動産を最終的にどう処分するかを決めることであり、一般的には投資不動産売却のことをさします。
有利な出口戦略には税制上有利にするために「10年以上保有しても売却できる物件」を目指す必要があります。
代表的な出口戦略のパターン
不動産投資は年々状況が変化し、状況に応じた対応が必要になります。
具体的には建物の劣化や入居率の低下または立地条件の変化に応じ、出口戦略として売却を検討する時期がでてきます。
このまま事業として継続するか、あるいは撤退か買い替えするのかを常に念頭において運営しましょう。
不動産を売却するのであればどのように売却するのかという方法も考えなければなりません。不動産売却なら税金対策も必要です。
税金対策としてよく利用される「事業用不動産の買い替え特例」など出口戦略の具体的な方法について解説致します。
出口戦略 | 内容 |
不動産売却 | 事業としての不動産投資を終了し売却して終える |
投資不動産を買い替え | 「不動産買い替え特例」を適用 |
投資物件を相続税対策に利用後売却 | 現金で相続するより税制上有利 |
不動産売却
事業としての不動産投資を終了し売却して終えるということです。
相続する方がいない場合はこの方法が一般的でしょう。
売却する場合においては、早めに売却希望の意思を不動産会社に伝えた方が無難です。
立地条件の良い物件は時間をおかず買い手がつく可能性は高いですが、売り急ぐと相手の言い値になり不利益な売却となってしまいます。
時間的に中長期的に時間をかけて売却先をゆっくりと探すというスタンスが成功する売却方法です。
投資不動産を買い替えする
投資不動産を買い替えする場合には税金対策が必要です。
所有する不動産を売却して買い替えする場合、「不動産買い替え特例」を適用させると税金対策として有利な買い替えとなります。
不動産の買い替え特例についての条件をお伝えします。
売却物件・購入物件がともに事業用であること
10年以上保有している物件
売却相手が親族でないこと
買い替えが売却の前年・当年・翌年に行われていること
事業は購入後1年以内に開始する
購入物件が売却物件の面積5倍以内
事業用不動産の買い替え特例についてはこのような規定があります。
上記以外にも買い替え特例を満たす条件について判断が難しい場合もあるので、買い替え特例を適用させる場合は不動産会社などプロに相談されることをおすすめします。
投資物件を相続税対策に利用後売却
相続対策として不動産投資をはじめる方も多いことでしょう。
現金で相続するより、不動産や賃貸物件で相続した方が税制上有利なためです。
[事例]5,000万円の資産を相続するケース
現金5,000万円なら100%課税対象となりますが、5,000万円で土地を購入した場合は、時価の8割と計算されて4,000万円に課税されます。
賃貸物件の場合は、減額率も高く6割以上も評価が下がるのです。
不動産で相続税対策が有利なのはこのような評価額減額があるからです。
その後、相続された方が事業を引き継ぎ売却するなら先にご紹介した不動産の買い替え特例を適用させて10年以上長期保有後の売却が税制上有利です。
新築時の評価額は実際の建築費の約60パーセント程度の場合が多いといわれています。そして、建物が賃貸されている場合には貸家の評価減(財産評価基本通達93)の適用もありますのでさらに評価額が下がります。
なぜ出口戦略を立てておくことが重要なのか
不動産投資の出口戦略を立てる最大の理由は利益確定のためです。
逆に売り時を逃してしまうと、大きな損失をだして不動産投資を終了することになってしまいます。
家賃収入が調子よく継続していても、修繕箇所や費用がかかり物件維持が難しくなったというケースもあります。
オーナー自体が持て余してしまう物件になってからでは、売却金額の交渉は厳しくなる場合がほとんどです。
投資物件を有利に売却するには、不動産売却には入居率や建築年数などを考慮し購入者にアピールできる物件であることが必要です。
投資不動産を売却するベストなタイミングは?
投資用不動産を売却するタイミングを考える上で大切なポイントについて考えてみましょう。
入居率が8割以下にならない時期での売却
売却するなら物件の入居率が直近2年で8割下がらない時期を選んでの売却をおすすめします。
現在、満室だから売却は考えていないという方もいるかもしれません。
しかし経年し空室が目立っている物件になってからでは、利益を出して売却するこができるのはかなり難しいことでしょう。
買い手が欲しいのは満室状態で利回りの良い物件です。
購入し利回りが高い物件の状態であれば、売値も交渉の余地があり利益を見込める売却となります。
また物件の売り時としては買い替え特例の適用も検討し事業開始後10年経過し20年未満というのが一つの目安です。
これは税制上の優遇措置を受けるだけでなく、物件の建材も考慮するところが大きいです。
木造建築の戸建てや賃貸アパートの場合の法定耐用年数は22年です。
日本の建築技術なら22年以上でも十分利用価値はあるのですが、購入する側からみるとデメリットが1つあります。
銀行融資を受けて購入する場合は、この法定耐用年数を超える長期融資が難しくなる場合があるためです。
建築後20年を超える木造物件を売却するなら売却前に物件の修繕を適宜行い、外壁塗装や水漏れ修理をした修繕箇所など履歴を提示するのも一つの方法です。
インカムゲインからキャピタルゲイン
不動産投資をある期間行い、継続して家賃収入を得ることをインカムゲインといい、不動産を売却して利益を得ることをキャピタルゲインといいます。
一定期間家賃収入を得た後に、不動産を売却する。
この方法がとれる投資物件は立地条件が良く、地価の値上がりも期待できる場所にある物件が多いです。
投資金額に対して家賃収入と売却益をすべて検討した上で、不動産投資の利益を確定させることができる。
これは不動産投資の最も理想的な出口戦略と言えます。
不動産投資をする際には事業計画書を作成されると思いますが、投資金額の回収を何年目と見込んでいますか?
また事業開始時に融資を受けているのであれば、融資返済は何年目に完了しているのかなど投資金額や融資返済を検討した売却プランを考える必要があります。
売るタイミングとしては、返済も進みある程度資金回収ができた時期と地価の値上がりが見込める時期での売却がベストです。
ゴールを決めておくことが投資成功確率を上げる秘訣
不動産投資を成功させるには、投資物件を運営後有利な時期に売却することが重要です。
売却にはタイミングも必要であり、物件から収益が上げっている時期の売却がおすすめです。
不動産会社に自分の物件がどの程度の売却価値があるのかを聞いてみるのも指針になるでしょう。