
老後の生活資金として2,000万円を貯めなければならないというニュースを見ました。
不動産投資で老後資金を構築することは可能ですか?

老後のために投資や副業をはじめる人が増えていますが、不動産投資で資産を形成することも可能です。
不動産投資初心者が資産形成のために選ぶべき不動産のポイントと注意点を、現役大家さんの体験談とあわせて紹介します。
資産形成の重要性
経済的基盤を持つためには、貯金だけでなく投資をして長期の資産形成をすることが必要になります。
公的年金だけでは引退後の生活には不足であり、老後資金が2,000万円足りないという試算は大きく報道され話題になったのでご記憶の方も多いことでしょう。
不動産投資をおすすめする理由としては固定資産税・相続対策にも有利であり、老後資金作りとして初心者でも運営可能だからです。
今回は不動産投資初心者の方向けにおすすめの不動産物件の種類や投資金額の目安、また管理会社に依頼せず自分で管理してみた体験などもあわせてお伝えします。
不動産投資の種類
不動産投資には戸建て投資・マンション投資・アパート経営など多くの種類があり、その物件の内容・立地条件もさまざまです。
代表的な不動産投資の種類や投資金額の目安についてお伝えします。
戸建て投資(空き家)
戸建て投資は、中古物件の戸建てを購入し、ハウスクリーニングやリフォーム工事などをして賃貸に出し家賃収入を得るというものです。
現在日本には多くの空き家があり、格安物件など多くの不動産屋で扱っています。
価格帯としては庭付き一戸建てで500万円~1,000万円程度の中古物件が人気です。
戸建て不動産投資のメリット・デメリット
戸建て不動産投資 | |
メリット | ・ファミリー向けの物件は属性の高い入居者が多いので未納リスクが低い・近くに文教施設があれば賃貸期間も長くなり入居率が高くなる
・親世代の空き家を利用するなら初期投資が安く、固定資産税が減額される |
デメリット | ・外回りなど建物全体の修繕が必要になる・いったん空室になると他に物件がない限り、家賃収入がなくなる
・原状回復工事が高くなる場合がある |
国内には多くの空き家があり、空き家問題という言葉までありますがその空き家を利用して民泊事業や戸建て賃貸にトライしている若い世代が増えてきました。
今後はテレワークの普及もありワーケーションとしても利用価値が高まることが期待されます。
マンション投資
不動産投資の最初の物件としてよく購入されるのが、ワンルームマンションです。
駅から近い物件では単身者の方に人気です。
購入価格は数百万円~1000万円ほどですが、タワーマンションやステータスの高いマンションならワンルームマンションのサイズで2000万円程度の価格です。
マンション投資のメリット・デメリット
マンション投資 | |
メリット | ・ハウスクリーニングなど修繕費用が安い・投資金額が低く初心者でも購入しやすい
・売却する場合も立地条件がよければ早く売却できる |
デメリット | ・単身者向けなので長く入居する方が少ない・マンションの積立金や修繕費用などが高い
・都内人気エリアなら固定資産税が高い |
マンション投資は手頃なイメージもあり多くの方が投資されています。注意するポイントとしては家賃と維持費のバランスです。
首都圏以外のワンルームマンションは高額な家賃設定が難しい物件です。
空室が続くとマンション管理費や修繕費用の負担が多くなるので空室率の低い立地条件の良い物件選びが必要です。
アパート経営
アパート経営には、アパートを1棟購入する方法と自分で物件を建築する方法という2つのパターンがあります。
もともと遊休地を所有しているケースにおいては、アパートを建築することで固定資産税の減税効果が高く投資資金を低く抑えることができるというメリットがあります。
土地から用意する場合は、立地条件から相談にのってくれるアパートメーカーへの相談やサブリースなどを検討することも一つの方法でしょう。
土地を所有していない不動産投資初心者の場合においては初期費用が少ない中古アパート購入をおすすめします。
初めての不動産投資で中古アパートを購入するのであれば、すぐに大型物件を狙うのではなく、まずは価格3,000万円前後でリフォーム工事含めて利回り10%前後の物件というポイントを1つの目安として検討することをお勧めします。
アパート経営のメリット・デメリット
アパート経営 | |
メリット | ・現在ある程度の広さの遊休地がある方なら固定資産税が大きく減額する・複数の部屋を所有するため、空室リスクが低い
・相続対策としてもっとも減税効果が高い |
デメリット | ・部屋ごとに機器のメンテナンス費用が発生する・戸建て賃貸やマンション投資よりは、初期費用が高額になる
・自分で管理できない場合は管理費用が必要になる |
今後の賃貸市場においてはシニア層の需要が大きく増える予想があります。
これからアパート経営される方なら、シニア層にむけて手すりを用意するなどバリアフリー構造にするのも差別化としておすすめです。
大家は初心者でも大丈夫
戸建て賃貸やマンション・アパート経営を始めるにあたっては自己管理か管理会社委託かを考える必要があります。
オーナーが物件所在地から離れた場所に居住しており自己管理ができない場合は、必然的に管理会社へすべてお任せするという方法になると思います。
1部屋3,000円前後~(賃料収入×5%が目安)という賃貸管理委託料が発生しますが、オーナーは入居者とのやり取りや管理業務をすべて業者に任せることができるので手軽に運用ができるというメリットがあります。
最近では、客付け以外の管理業務は全て自分で行うというオーナーも増えています。
投資物件が居住地の近場なら、ランニングコストを抑えるために自己管理するというのも選択肢の一つだと思います。
現役大家さんのお話を聞いてみましょう。
実際に不動産の不動産の賃貸業で生計を立てている現役大家さんに、大家さんのお仕事の話を聞いてみましょう。
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柳都さん 会社勤めの傍ら親からアパート一棟と戸建て賃貸を引き継いだ二代目大家さん。不動産投資・賃貸経営の実体験を伝える大家ライターとして活動中 |

柳都さんは大家さんとして経験が豊富だと思いますが、不動産の賃貸業はやることがたくさんあって大変なイメージがあります。
普段はどのようなことをされているのでしょうか。

不動産のオーナーというと大変なイメージがあるかもしれません。
私はアパート1棟と賃貸戸建てを親から受け継ぎ計10戸を自己管理しています。
大家さんは普段どんなことをしているのか
実際に経営してみるとわかりますが、不動産オーナーは普段はほとんど仕事がありません。
募集や内覧は不動産会社へお任せしていますが、その他は退去時の立会いやたまに入居者さんからエアコンの調子が悪いなど備え付けの住宅機器の修繕を依頼されるだけです。
このような場合に備えて、「水回りは〇〇さんへ」「電気機器なら○○さんへ」など普段から決めて置けばよいだけです。
入居者さんとはショートメッセージやメールでやり取りするくらいですし、それも年数回程度です。
アパートの清掃はシルバー人材センターさんに依頼しており、たまに報告が来るくらいでしょうか。
退去の立会いなどは慣れないうちは不動産会社の方と同席してという事もありましたが、何度が対応し慣れてくれば一人で対応できます。
家賃の未払いやトラブルなどという場合が心配なら、対応の保険や家賃保証会社に相談や依頼をしてトラブル対応できます。
不動産投資の手を広げて50戸以上など管理するくらいなればともかく、戸建て賃貸数件やアパートも1、2棟なら普通に会社勤務していても支障がでるということはありません。

いろんな分野の専門家と連携することが大切なんですね。
これから不動産投資をはじめたいという人にアドバイスをいただけませんか?

では、不動産投資を始めるうえで注意するべきポイントをお伝えします。
不動産投資初心者への注意すべきポイント
これから不動産投資を始める方への注意すべきポイントをお伝えします。
①不動産投資は利回りが重要10%を目安として検討する
②立地条件は重要、立地に合わせた入居ターゲット層へ訴求する物件を選ぶ
③不動産登記1月1日現在での登記で固定資産税が発生することを忘れずに
④自分のチームを作る、客付け業者・修理業者・清掃業者を決めておく
⑤銀行への融資へは事業計画書が必要、商工会議所へ加入すると相談できる
⑥トラブル防止に保険加入は万全にする

貴重なお話をありがとうございました。
初心者でも不動産投資はトライできますか?

今回ご紹介した不動産投資は初心者の方でも取り組みやすいものです。
割と高額なアパート経営でも投資金額は3,000万円前後ですが、普通に家を建ててお住まいになる方なら土地家屋で同程度の資金になるはずです。
不動産投資は若いほど有利
若い現役世代の方なら返済期間も長く設定でき、その分多くの融資を受け好条件の物件で不動産投資が始められます。
老後生活資金確保の手段の一つとして、不動産投資を選択肢に含めてみてはいかがでしょうか。