沖縄県には軍用地投資と言う独自の投資文化があると聞きました。
軍用地を所有することで、オーナーにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
沖縄には約1.8万ヘクタールの米軍基地があり、県全体の面積の約8%を占めています。
その壮大な敷地は全て一般市民から借り上げたものであり、大勢の軍用地オーナーがいます。
軍用地の所有者には毎年、国から借地料が支払われています。(持っているだけでマネーが入ってくるなんて羨ましい限りですよね…。)
そんな軍用地が、市場でどのように取引されているのか、また所有することでどのようなメリットがあるかということについて解説します。
※米軍基地については政治的な諸問題や主義・主張がありますが、本記事は不動産目線で軍用地という文化を紹介する趣旨で執筆しています。
軍用地の取引について
投資物件として人気の高い軍用地は、現在でも活発に売買取引がされています。まずは軍用地が市場でどのように取引されているのか、基本的な内容を紹介します。
軍用地にはどんなものがある?
米軍基地施設は沖縄県の各所に存在し、場所によって規模や用途が異なります。
たくさんの米軍基地施設がありますので、軍用地の購入を検討するときはまずその土地がどの地域にあってどんな施設を構成しているのかということを把握することから始まります。
🖊主な米軍基地施設 | 市町村 |
那覇港湾施設 | 那覇市 |
牧港補給基地 | 浦添市 |
普天間飛行場 | 宜野湾市 |
ホワイトビーチ | うるま市 他 |
キャンプ瑞慶覧 | 北中城村 他 |
嘉手納弾薬庫 | 嘉手納町 |
嘉手納飛行場 | 嘉手納町 |
キャンプハンセン | 金武町 他 |
軍用地の取引価格はどのように決まる?
軍用地の価格査定では「倍率」という評価計数が用いられており、年間借地料×倍率の金額が取引価格となります。
たとえば宜野湾市にある普天間飛行場は2021年現在でおよそ45~50倍の倍率相場を推移しており、年間借地料が100万円の軍用地の場合は4,500~5,000万円で取引されることとなります。
軍用地の倍率は、沖縄県全域的に見るとおよそ40~60倍の間を推移しています。
一般的には基地が返還されたあとも需要の高い土地になると見込まれるエリアや既に返還予定のある施設の方が倍率が高くなる傾向があります。
施設名 | 倍率相場 |
那覇港湾施設 | 60~65倍前後 |
牧港補給基地 | 60~65倍前後 |
普天間飛行場 | 45~50倍前後 |
ホワイトビーチ | 45~50倍前後 |
キャンプ瑞慶覧 | 50~55倍前後 |
嘉手納弾薬庫 | 50~55倍前後 |
嘉手納飛行場 | 60~65倍前後 |
キャンプハンセン | 45~50倍前後 |
借地料の平米単価は、地域によって大きく異なる
軍用地の借地料を土地の面積で割った平米単価に換算すると、地域よってかなりの開きがあります。
たとえば那覇市内の基地に属する軍用地の借地料平米単価は平均4,000円弱であるのに対して、中部地域に属する施設だと単価1,000円を下回る土地が結構あります。
同じ借地料でも地価が高いエリアの軍用地の方が面積が小さくなるということになります。
借地料×倍率という計算式で取引価格を決めるので、インカム物件として見る場合は面積はそこまで重要ではありません。
ただし返還予定の軍用地の跡地利用を目的として軍用地を購入する場合は、面積(平米単価)も重要なポイントになりますので、注意して見るようにしましょう。
軍用地は、人気が高い投資物件
軍用地は投資物件としてとても人気が高く、沖縄県内ではさかんに取引が行われています。
地主が軍用地を売りに出せば、ネット等で情報を出す前に水面下で売買が成立してしまうようなことも多々あります。
特に近年では需要が高まっており、ここ10年で軍用地の価格(=倍率)は急激に上がっています。
少し前までは35~40倍くらいが相場だった時期もあり、45倍を超えたときには驚く人もいましたが、今では50倍・60倍超も珍しくなくなってきました。
今後の相場の推移について予想はできませんが、安い時期に購入しておいて高くなったら売るというキャピタル狙いの投資がしやすいというのも軍用地の魅力の一つです。
軍用地投資のメリット
軍用地の基本的な情報について紹介してきましたが、そもそも何故こんなに人気が高いのでしょうか。軍用地を所有することのメリットについて考えてみましょう。
収入が安定している
軍用地投資の一番のメリットは、収入が安定しているという面にあります。
借地料は国家から支払われているため、その信頼度は国債に匹敵するとも言われています。
利回りベースで考えると1.5~2.0%となるので低く見られがちですが、銀行預金よりも遥かに大きなリターンが見込るので、現金を軍用地に換えて保有したいというニーズは非常に高いです。
軍用地投資はノーリスクミドルリターンの安全なインカムゲイン収入だと言えます。
キャピタルゲインが見込める場合がある
軍用地は値動きが大きいので、買った値段よりも高く売れるということが珍しくありません。
そのため転売目的で軍用地を買い求める投資家も少なくありません。
しかし、下動きが激しいと相場倍率が下がる可能性もありますので、転売益ありきの軍用地投資はあまりお勧めできません。
軍用地投資は安定した借地料収入を継続的に受けるということを第一の目的として、将来的に地価が高騰すれば転売を視野に入れるというような長期的戦略をとることが定石です。
返還後の跡地利用で価値が上がることも
沖縄県内の米軍基地が返還されると、行政・民間が一体となって跡地利用が行われます。
これまでも基地が返還されたエリアは大規模な開発や区画整理が行われ、新たな市街地として発展してきたという確固たる事例があります。
これから返還が予定されている軍用地エリアについても、土地の価値が高騰することが期待されています。
・那覇市新都心エリア
・那覇市小禄エリア
・北谷町ハンビーエリア
・北谷町桑江・伊平エリア
・北中城村ライカムエリア
現金を軍用地化することで相続対策になる
現金資産が多い場合は、現金を軍用地に替えておくことで相続対策の効果が期待できます。
軍用地の課税評価額は【固定資産税評価額×評価倍率×(1-40%)】という計算式を用いて算出します。
施設や地域によって評価軽減の大きさは異なりますが、相続税課税評価額は実勢価格の20~30%前後になることが多いようです。
仮に1億円の現金を保有している場合、1億円分の軍用地を購入すれば相続資産の評価額面は2,000~3,000万円となり、非常に大きな節税効果が見込めます。
軍用地専用ローンを利用できる
沖縄県内の地銀は「軍用地専用ローン」という金融商品を扱っており、軍用地を担保にすることで0.9~1.0%前後という超低金利条件で融資を受けることができます。
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将来的に不動産を買い増すときなど、軍用地を所有していることで低金利で融資を受けられるというのもメリットの一つとなっています。
まとめ:ポートフォリオの一部に「軍用地」はいかがでしょうか
①超安定収入が得られる
②値段が上がることがある
③基地返還後の跡地利用の期待大
④節税効果が高い
⑤軍用地主専用の低金利ローンが利用できる
軍用地の初歩的な内容について解説してきました。
軍用地は安定的な収入を得ながら大きな節税効果が期待できるという魅力があります。
投資用不動産の買い増しを検討している人は、ポートフォリオの一部に軍用地を含めてみてはいかがでしょうか。
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